計画的な不動産投資

オフィス街の店舗では、昼食時になるとレジの前に常時10人程度が並ぶことがある。
仮に1人のお客の精算業務に4秒かかっていたら単純計算で1時間に90人しか対応できないが、客全員が電子マネーで精算すると3割強の102人対応できることになる。 レジ前に精算待ちのお客が多くいると、狭い店舗だと陳列棚の通路に行列ができる。
すると、商品を買いたくてもレジ待ち行列があるため、買い物がしづらい雰囲気になる。 「昼間のSは混みすぎて、なかなか買いたい商品が買えない」といった声も出てきかねない。
Sにしてみれば、ストアロイヤルティーを下げる要因になり、客が混雑に嫌気がさして何も買わずに店を出てしまえば、売り逃しにもなる。 マルチリーダーライターは、レジ待ちのイライラ、商品を買いたくても買えないイライラの解消と、売り逃し防止の切り札にもなる。

「S」のバックヤード(作業場)にあるストア・コンピューター。 どこのオフィスにもあるデスクトップ型のパソコンだが、画面から出てくる情報はSの企業機密の塊である。
最も重要な情報は欠品情報である。 もし、客が欲しいと思う商品が品切れしていたら売り逃しとなり、売り上げも利益ももたらさない。
まず何よりも欠品の撲滅に目を光らせる。 それは商品がいつ店頭から売り切れてしまったのかを正確に知ることから始まる。
たとえば1日に3度配達されるおにぎり、弁当・総菜、パンなどの日配品について見てみよう。 もし午前9時の便で店に届く2個の「梅のおにぎり」が、次の午後3時到着の便までに全品売り切れていたら、欠品と見なされる。
POSデータでは販売した時間も記録されるから、何時何分に何個売れたのかもわかる。 これを「機会損失分析」と呼んでいる。
書き入れ時となるお昼の12時前に「梅のおにぎり」がすべて売り切れていたら、明らかに店側が少なく発注したことになる。 パソコンの画面には品切れになった時間が表示される。
ピーク時間帯よりも前に品切れになっていたら赤色、ピーク中の場合は黄色、ピーク後なら青色で表示する。 ストア・コンピューターには、品切れの商品の順位まで表示される。
逆に商品が残って賞味期限を迎えると、やはり発注数量ミスとなる。 品切れがなければ売り上げをどこまで伸ばすことが出来たのかもわかるようになっている。

発注の読み違いによる売り逃し、機会ロスを数字で示すことで、発注の大切さを実感してもらうのが狙いだ。 Sが思い描く店とは、「消費者が買いたいと思った時に、買いたいだけの商品が店にそろえてある」ということなのである。

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